メンタルヘルス対策

先日の日経新聞のまとめによると、精神面でのストレスを理由とする過労労災が認められるケースが相次いでいるそうです。2007年度には、精神疾患での労災申請が脳や心臓などの身体的疾患での申請を初めて上回りました。

厚生労働省がまとめたこの10年間の「類型別の労災発生現況」によると、98年42件だった「ストレスと過労による精神疾患で労災認定されたケース」は、昨年は、952件とこの10年間で、20倍以上も増加しています。

精神疾患の労災認定ケースを年齢別に見てみると、30代が最も多く、その次は20代と40代の順となっており、精神疾患は年齢と関係なく若年層でも頻繁に発生しています。また、過労が原因でうつ病などにかかって自殺した(未遂を含む)人は昨年81人にのぼり、着実に増える傾向です。

厚労省は「残業など長時間労働に加え、過度な業務負担は精神疾患の原因」とし、職場での支援強化や勤務条件の改善を呼びかけていますが、企業でのメンタルヘルス対策は、まだ立ち遅れているといえるのでしょう。

メンタルヘルス対策はEAP(Employee Assistance Program)とも呼ばれています。EAPの中でも、病気を予防する段階(1次予防)、早く見つけて対処する段階(2次予防)、リハビリの段階(3次予防)、など多様化してきており、各企業は課題に合わせてのメンタルヘルス対策が必要です。

しかしながら、専門家を配してEAPのプロセスを明確にしている企業は未だ少数で、多くの職場では、管理職の裁量や判断に任されているケースがほとんどです。その場合、世代間の価値観の違いや仕事のプレッシャーなどが、複雑に絡み合い、対応を遅らせてしまう事例も多々見受けられます。職場のヒエラルキーが影響しないところでの対策が最も求められるのが、EAPではないでしょうか。


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社会保険労務士 栗原 恵子

略歴: 神奈川県茅ヶ崎市出身 平成19年栗原社会保険労務士事務所開業 平成21年6月社会保険労務士法人あすら設立 代表社員 上場企業で労働組合執行委員を経験、また、中小企業で経理・総務部に勤務する。 長年の経験を生かし、企業の『人』に関する問題にきめ細やかなサービスを心がけている。