社会保険の手続きは“日付”に注意してください

社員の採用・退職時の社会保険・雇用保険の手続きは総務の方が行っている会社が多いと思います。届出書の記載は簡単だから、誰がやっても問題などないと思われがちですが、知識不足もしくは些細なミスが会社に損害を与えることがあります。

誰もが知っている年金記録確認第三者委員会の一部地方委員会では、すでに被保険者(現役で働いている人)の申し立ての調査が始まっています。そこで多いのが、資格喪失日の間違いです。例えば、10月いっぱいで退職する人の雇用保険の資格喪失日は10月31日ですが、社会保険の資格喪失日は11月1日です。社会保険の資格喪失日を雇用保険に合わせて10月31日にしてしまう間違いが非常に多いですが、このことにより退職した社員の厚生年金加入期間が1ヶ月短くなってしまいます。厚生年金は月単位で計算をすることから、月の途中で資格を喪失するとその月は加入していなかったことになります。ですから、月末退職の社員の場合は資格喪失日を翌月1日にしなくてはいけません。

たかが1ヶ月と思うわれる方がいるかもしれませんが、将来受け取る年金額が少なくなってしまいます。

さらに、喪失日だけではなく、資格取得日に関しても同じことです。試用期間中は加入させないという会社があるようですが、雇い入れ日を資格取得日にしなくてはいけません。         本来、厚生年金の保険料の時効は2年ですので、2年以内に気がつけば日付を修正して不足分の保険料を納付すれば解決ですが、時効を過ぎたら修正はできません。そこで退職した社員が会社に将来受給できるはずであった年金額相当の損賠賠償を請求するケースもまれにあります。

現在は、厚生年金保険法の特例法がありますので、第三者委員会に申し立てをして、主張が認められたときは社会保険庁から会社にこの分の保険料の納付勧奨がだされます。会社はこれに応じて納付すればよいですが、納付するにしても延滞金が付加されます。しかし、特例法も施行期間はきまっています。

事務担当者の知識不足や些細なミスにより会社に大きな損害を与えることにならないように、簡単な書類作成でも細心の注意を払って行うようにしてください。


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社会保険労務士 栗原 恵子

略歴: 神奈川県茅ヶ崎市出身 平成19年栗原社会保険労務士事務所開業 平成21年6月社会保険労務士法人あすら設立 代表社員 上場企業で労働組合執行委員を経験、また、中小企業で経理・総務部に勤務する。 長年の経験を生かし、企業の『人』に関する問題にきめ細やかなサービスを心がけている。