雇い止めに関するトラブルは予防できるのか?

昨今、パートタイムや契約社員という勤務形態の従業員がいる企
業が増えてきていますが、このような方々を「正社員ではないから
退職してもらうのは簡単だ。」と考えている企業の担当者は少なく
ないと思います。
パートタイムや契約社員は、いわゆる有期労働契約で雇われている
労働者です。有期労働契約は、契約期間が満了すれば雇用関係を終
了し、問題なく雇止めできると考えられがちですが、労働契約の
更新が複数回におよぶ場合、いわゆる解雇権濫用法理が類推適用さ
れます。
加えて、平成16年4月1日から施行された改正労働基準法では、
「厚生労働大臣は有期労働契約の満了時に労使間紛争が生じるのを
未然に防止するため満了に関する必要事項について基準を定める」
ことができ、使用者に助言できるとしています。
労働契約を複数回更新している場合に限らず、新たに契約を締結
する労働者に対しても、特段の事情がない限り、更新を予定してい
る場合であれば、「更新する場合がある」と明示する必要がありま
す。これに対し、労働契約締結に際して、先行きが明確でないとき
には「更新しない」と明示しておく方がよいでしょう。
「更新する場合がある」と明示した場合は、「状況次第では更新さ
れる」という意味ですが、雇われる側は、「状況次第では」という
点を飛ばして考え、契約の更新に対する期待感が生まれます。一方
で、「更新しない」と明示すれば、労働者は「更新はされない」と
思い込み、期間満了間近に、更新を提案しようとする前に次の勤務
先を決めてしまう場合もあり得ます。
雇う側からすると、労働力の確保を重視するか、雇止めが確実にで
きることを重視するか、悩ましいところです。
仮に、「更新する場合がある」とした場合でも必ず更新しなくて
はいけないわけではありません。契約更新をしない時は、少なくと
も30日前までにその旨を労働者に伝え、請求された場合は雇止め
の理由について証明書を発行すればよいことになっています。
しかしながら、契約更新されなかった労働者が労働基準監督署に申
告し、それにより監督署の指導を受けている企業が多数あることも
事実です。
契約更新をする場合には、特段の説明もなく自動的に更新をし、
更新をしない場合は、当たり前のようにその旨をを告げている、
このような運用をしている会社は多いのではないでしょうか。
これでは雇止めのトラブルが発生するリスクがあります。
一度トラブルが発生すると、事故処理や円満解決のために多くの時
間と労力が必要になり、他の社員への影響も少なからず生じてしま
います。
雇止めのトラブルを予防するには、
・契約締結時に、有期労働契約の更新の有無及び、更新・雇止めを
行う場合の判断基準を明示する。
・契約満了時に、更新の有無にかかわらず、労働者に対し人事考課
の評価を伝える。
・契約更新に関する今後の予定を知らせるなど、労働者と話し合い
の場を持つこと、加えて、文書で明示することで『契約更新は自動
的に行われるものではない』という認識を、相互が持つということ
が重要です。

昨今、パートタイムや契約社員という勤務形態の従業員がいる企

業が増えてきていますが、このような方々を「正社員ではないから

退職してもらうのは簡単だ。」と考えている企業の担当者は少なく

ないと思います。

パートタイムや契約社員は、いわゆる有期労働契約で雇われている

労働者です。有期労働契約は、契約期間が満了すれば雇用関係を終

了し、問題なく雇止めできると考えられがちですが、労働契約の

更新が複数回におよぶ場合、いわゆる解雇権濫用法理が類推適用さ

れます。

加えて、平成16年4月1日から施行された改正労働基準法では、

「厚生労働大臣は有期労働契約の満了時に労使間紛争が生じるのを

未然に防止するため満了に関する必要事項について基準を定める」

ことができ、使用者に助言できるとしています。

労働契約を複数回更新している場合に限らず、新たに契約を締結

する労働者に対しても、特段の事情がない限り、更新を予定してい

る場合であれば、「更新する場合がある」と明示する必要がありま

す。これに対し、労働契約締結に際して、先行きが明確でないとき

には「更新しない」と明示しておく方がよいでしょう。

「更新する場合がある」と明示した場合は、「状況次第では更新さ

れる」という意味ですが、雇われる側は、「状況次第では」という

点を飛ばして考え、契約の更新に対する期待感が生まれます。一方

で、「更新しない」と明示すれば、労働者は「更新はされない」と

思い込み、期間満了間近に、更新を提案しようとする前に次の勤務

先を決めてしまう場合もあり得ます。

雇う側からすると、労働力の確保を重視するか、雇止めが確実にで

きることを重視するか、悩ましいところです。

仮に、「更新する場合がある」とした場合でも必ず更新しなくて

はいけないわけではありません。契約更新をしない時は、少なくと

も30日前までにその旨を労働者に伝え、請求された場合は雇止め

の理由について証明書を発行すればよいことになっています。

しかしながら、契約更新されなかった労働者が労働基準監督署に申

告し、それにより監督署の指導を受けている企業が多数あることも

事実です。

契約更新をする場合には、特段の説明もなく自動的に更新をし、

更新をしない場合は、当たり前のようにその旨をを告げている、

このような運用をしている会社は多いのではないでしょうか。

これでは雇止めのトラブルが発生するリスクがあります。

一度トラブルが発生すると、事故処理や円満解決のために多くの時

間と労力が必要になり、他の社員への影響も少なからず生じてしま

います。

雇止めのトラブルを予防するには、

・契約締結時に、有期労働契約の更新の有無及び、更新・雇止めを

行う場合の判断基準を明示する。

・契約満了時に、更新の有無にかかわらず、労働者に対し人事考課

の評価を伝える。

・契約更新に関する今後の予定を知らせるなど、労働者と話し合い

の場を持つこと、加えて、文書で明示することで『契約更新は自動

的に行われるものではない』という認識を、相互が持つということ

が重要です。


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社会保険労務士 栗原 恵子

略歴: 神奈川県茅ヶ崎市出身 平成19年栗原社会保険労務士事務所開業 平成21年6月社会保険労務士法人あすら設立 代表社員 上場企業で労働組合執行委員を経験、また、中小企業で経理・総務部に勤務する。 長年の経験を生かし、企業の『人』に関する問題にきめ細やかなサービスを心がけている。