米アップルが新型インターネット携帯端末「iPad」を発表しましたが、富士通が米国で先に商標の出願をしていたことで、商標権争いに発展する可能性も・・・という記事がありました。
米国特許商標庁のサイトで調べてみたところ、「Fujitsu Transaction SolutionsInc.」という富士通の子会社が2002年1月8日から使用を開始し、2003年3月7日付けで出願しているようです。まだ登録はされていないようですね。
ちなみに、日本では早く出願した者に商標の登録をする先願主義を採用していますが、米国では早く商標の使用を開始した者に商標の登録をする先使用主義を採用しています。したがって、米アップルが2002年1月8日よりも前に商標「iPad」の使用をしていたことを立証できれば、米アップルの商標が登録を受けられる可能性もあります。
ところで、先使用主義と先願主義はどちらが良いのでしょうか?
確かに、早く使用を開始した者に商標権を発生させるという方法は理想的なものではあります。しかし、せっかく使用をして商標に信用が蓄積されてきたのに、突然先に使用をしていた者が現れて自己の商標が制限されると、困りますよね?また、審査や紛争において先使用の立証は比較的困難です。
一方、先願主義の場合、出願した日というのは明確です。そこで日本では、法的安定性を考慮して、先願主義を採用しています。
まだ商標の出願をされていない方は、少しでも早く出願することをお勧めします。