事業承継にあたって、資金の問題は大きな課題です。
後継者が自社株式を買い集めるためにも大きな資金が必要です。また、遺産分割を考えても、後継者に自社株式と事業用資産を相続させると、他の相続人の遺留分を侵害してしまうという問題も生じます。さらに、相続税の納税資金の確保という観点からも、資金手当が必要になってきます。
事業承継後の経営という点からは、先代社長時代の資金調達力が維持されるかというような不安も残ります。後継者が相続等により引き継ぐ財産は、複数の相続人での分轄、相続税の支払等で、先代社長の全てを引き継ぐわけではありません。会社の資金調達力は担保力だけではありませんが、先代社長よりも新社長の資金調達力が劣化するのではないかというのは、新社長の悩みになっています。
そのような中で、金融機関が事業承継時の資金調達を支援する「事業承継ローン」というものが増えてきています。沖縄銀行でも県内金融機関で初めて事業承継に特化したローン商品を展開するようです。自社株式や事業用資産の買取資金、先代オーナー社長の退職金などの臨時的な運転資金のほか、前代表者の既存借り入れの借り換え資金などに活用できる商品で事業承継を支援するというものになっています。特徴の一つとして、税理士の作成による事業計画所等で申し込みが可能です。
各地域の金融機関も事業承継時の資金調達というローンを準備しているようで、中小企業の事業承継の大きな課題である資金不足の解決策の一つになるかもしれません。ただし、どの程度の金額が融資されるのか、その辺りは個別企業の問題としてなかなか難しいところがあるかもしれませんが。

